このシリーズでは、平成の北大理系数学の後期入試の問題を1年ずつ遡って解いていきます。
17回目の今回は2003年になります。
第1問
点の速度を考える問題です。
(1) PでのCの法線の傾きを調べて、図に描いて図形的にQの座標を調べるとよいでしょう。
(2) Pの速度ベクトルとQの速度ベクトルをそれぞれ調べてあげると、Qの速度がPの速度と平行になっていることが分かりますので、その速度比の取りうる値を調べてあげればOKです。
<筆者の解答>
第2問
数列の極限を求める問題です。
(1) an+1=an=aとして、漸化式に代入して解けばOKです。
(2) an+1 - anを計算してみると、anがつねにp<an<qを満たしていればan+1>anが言えそうだと分かります。なので、p<an<qを帰納法で示しましょう。
(3)はさみうちの定理に持ち込みたいので、|an+1| <m*|an| (mは1未満の正の実数)が言いたいです。
漸化式を使うと、|an+1|=|r(1-an)|*|an|となり、(2)の結果から|r(1-an)|の最大値はr(1-a)となり、さらにこれが1未満だと分かります。
<筆者の解答>
第3問
球面の接する条件と、立体の体積を求める問題です。
(1) A,Bはともにz軸について回転対称なので、z軸を含む断面を切ってしまえば平面の問題に持ち込めます。その際にxy平面に接する条件と球面に接する条件を考えることになります。
(2) お馴染み平面で断面を切って、断面積を積分するという形で解いていきます。
x軸かy軸に垂直な断面を切るか(本解答)、z軸に垂直な断面を切るか(別解)、の2通りの作戦がありますが、前者は途中でcosθ^4の積分が登場し計算が大変になります。
後者の方が、半球から放物面をくり抜くという直感的な方法で解けるので計算が楽だと思います。
<筆者の解答>
第4問
行列に関する証明問題です。
(1) もしad-bc≠0だとAが逆行列を持ちます。そのとき矛盾が起こることを示しましょう。
(2) ケーリーハミルトンの定理と(1)の結果を使うと、A^2 = (a+d)Aが言えます。A=Oの場合とA≠Oの場合に分けて検討しましょう。
<筆者の解答>