ちょぴん先生の数学部屋

数学の楽しさを、現役メーカーエンジニアが伝授するぞ!

平成の北大理系後期数学 -1995年-

このシリーズでは、平成の北大理系数学の後期入試の問題を1年ずつ遡って解いていきます。

 

25回目の今回は1995年になります。

 

第1問

f:id:stchopin:20220202221304p:plain

 

1次変換に関する問題です。

 

問題文の条件を処理すれば、この変換を表す行列の成分をp,qの式で表すことができ、x軸y軸の変換先の方向ベクトルが求まります。

 

あとはこれら2つの方向ベクトルの内積を利用してcosθを求めましょう。但し、θが鋭角に限定されているので、内積自体にも絶対値を取る必要があります。

 

<筆者の解答>

f:id:stchopin:20220202222200p:plain

 

第2問

f:id:stchopin:20220202221322p:plain

 

楕円と直線との距離を調べる問題です。

 

(1)l上の点Q(t,t,t)とPとの距離を調べ、tを動かしたときの最小値がdになります。

 

(2) (1)の結果でさらにθを動かしてあげましょう。2倍角を使って2乗を解消して合成を使うとよいです。

 

<筆者の解答>

f:id:stchopin:20220202222243p:plain

 

第3問

f:id:stchopin:20220202221341p:plain

 

数列の極限を求める問題です。

 

(1)お馴染みの左辺ー右辺を微分して調べるパターンです。

 

(2)c-an+1を2通りに計算して、(1)の不等式も利用すると示せます。

 

(3) 同様にan<cの場合の不等式も導いてあげると、はさみうちの定理に持ち込めます。

 

ここまでの考察から、anはcより大きい値と小さい値を行き来するので、an=cとなる心配はありません。

(ちなみにan=cであれば、恒久的に数列はcの値を取り続けるので、極限がcになるのは当たり前です)

 

ちなみに、(3)の知見からcをexcelで計算すると、c=0.567143・・・という値になりました。

 

<筆者の解答>

f:id:stchopin:20220202222315p:plain

 

第4問

f:id:stchopin:20220202221401p:plain

 

面積の計算問題です。

 

(1)問題文の関数は、x=整数×πの場所で符号が変わるので、絶対値を取りつつmπ~(m+1)πの積分値の和でSnが表現できます。

 

指数関数×三角関数の形の積分なので、無理やり原始関数を構成して解く方法を採用しました。

 

(2) (1)ができていれば瞬殺です。

 

<筆者の解答>

f:id:stchopin:20220202222347p:plain