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平成の京大文系後期数学 -1996年-

このシリーズでは、平成の京大文系数学の後期入試の問題を1年ずつ遡って解いていきます。

 

原則、文系ユニークの問題のみ解きますので、理系との共通問題については理系の記事をご覧ください。

理系の記事はこちら↓

平成の京大理系後期数学 -1996年- - ちょぴん先生の数学部屋 (hatenablog.com)

11回目の今回は1996年になります。

 

第1問

 

いわゆる「チェビシェフ多項式」に関する問題です。cosの倍角は、cosθの多項式で書けることが知られています。

 

(1) cos5θを、5θ=2θ+3θあるいは5θ=θ+4θと分解して加法定理を使っていけばよいでしょう。答案では前者を使ってます。

 

(2) 当然ながら(1)の結果を利用します。

 

(奇数/10)πがθならcos5θは必ず0になるので、x=cos(奇数/10)πは全部5次方程式f(x)=0の解になっています。そして、奇数を1,3,5,7,9に絞れば、対応するcosの値は全部違っていて、5次方程式の解は最高で5つなので、これで解の全部となります。

 

これに気付けると、解と係数の関係を使えばよさそうだと分かります。

 

<筆者の解答>

 

第2問

 

方程式の整数解に関する問題です。

 

(1) f(α)=0を考えると、α^n =pの倍数とできます。

 

(2) (1)の事実を使うと、f(x)=0が整数解を持つにはa0がpの倍数でないといけないと分かります。

 

1次以上の項についてはpで2回以上割り切れるのに、定数項はpで一回しか割り切れないことになってしまうからです。

 

<筆者の解答>

 

第3問

 

理系第3問との共通問題です(2直線の交点が原点か、一般の点かの違いだけです)

 

詳しくは理系の記事をご覧ください。

 

第4問

 

不等式の成立条件を考える問題です。

 

変数が2文字以上あって考えにくいので、1つを固定して考えます。

今回の場合は、xの値を固定することで、前半の不等式をyの条件に書き換えることができ、さらに後半の不等式の左辺はyの3次関数と解釈できるので、前者の範囲で後者の関数が常に0以上になるように最小値を考えていけばよいことになります。

 

<筆者の解答>

 

第5問

 

理系第6問との共通問題で、(2)が理系の問題のスケールダウン版になっています。

 

詳しくは理系の記事をご覧ください。

 

<筆者の解答>