このシリーズでは、平成の九大理系数学の後期入試の問題を1年ずつ遡って解いていきます。
7回目の今回は2013年になります。
第1問
正四面体と平面に関する問題です。
(1) D(a,b,c)として、AD=BD=CD=3となる条件を考えるのが早いでしょう。
(2)定石どおりにE,Fの座標を求めて公式に代入して計算します。
(3)平面OEFの式を計算して、辺AC, BC, BDとの交点の有無を逐一確かめる他ないでしょう。
<筆者の解答>
第2問
点の移動を考える確率問題です。
(1)10回目に初めて玉を貰うとき、その座標は0, ±3で、それまでは±1, ±2にとどまっていないといけないことが分かります。ということで、途中で0や±3に到達することなくn回後に±1にいる確率をan, ±2にいる確率bnとおいて、漸化式を立てるとよいでしょう。
このan, bnが(2)以降も活躍します。
(2)2回目で玉を貰うなら、その座標は0しかあり得ません。その後は玉を貰わないので±1, ±2にとどまっていないといけないことが分かります。
このとき、(1)のan, bnを2つ番号をずらして使うことができると気付くと速いです。
(残り8回、±1, ±2にとどまる確率を求めればよい)
(3)玉を1個だけ貰うなら、その場所は0か±3に限ります。k回目に0に到達するか、±3に到達するかで場合分けするとよいでしょう。
前者については(2)と同様に考え、後者については、±3についたあとは±1, ±2を行き来するか、±4, ±5を行き来するかとなります。ここでも対称性からan, bnが利用できることに気付けると速いです。
(4)10回の試行で貰える玉の個数の最大値は3であり、0個貰う場合と3個貰う場合の方がパターンが少なく確率が計算しやすいです。
ということで、2個貰う確率は余事象で計算すると楽です。
<筆者の解答>
第3問
ベクトル列の問題です。
(1)漸化式を利用して、帰納法で証明します。
(2) いわゆる行列の対角化という奴です。左辺を愚直に計算して係数比較、でよいでしょう。
(3) (2)の結果を使うと、漸化式の係数行列のn乗が計算できるので、それを利用すればOKです。
<筆者の解答>
第4問
数列の極限を考える問題で、本セットの最難問です。
(1)θ3まではとくに変なこともなく計算できるので、x3を素直にαの式で表現して微分すればよいでしょう。
(2)α=π/4の場合でθnを計算してみると、n≧3ではnが奇数ならπ/2, nが偶数なら3π/4と周期的にθnが繰り返すことが分かります。
このことから、xnはnの偶奇に分けて一般項を求めることができます。その両方の極限をチェックしましょう。
(3)は申し訳ありません。最後まで解くことができませんでした。文句なしに捨て問にしてよいと思います。
(2)と同じように考えると、xnの極限をθnを使った式で表現できます。このままだと何も進まないので、θnがいつ初めてπ/2を超えるかを決めておきます。具体的にはmα≦π/2<(m+1)πとなる自然数mを決めます。このmの下でθnの規則性を調べれば、xnの極限を無理やり計算することができます。
しかし、計算出来たはいいものの、αとmが複雑に入り混じった式になってしまうので、この先増減を調べて最大値を求めるのは無謀に思えたため、そこで断念してしまいました。。。
もっとうまい方法があれば、是非教えて下さい。
<筆者の解答>
第5問
指数関数×三角関数にまつわる総合問題です。
(1) nの偶奇によってsinxの符号が変わるので、場合分けして最大値を検討する必要があります。結果的にはnの偶奇によらずPnは同じ形になるのですが。
(2)Snを計算するのは(1)の結果からすぐでしょうが、Σ計算が面倒です。特に1次式×等比数列の形のΣが登場するので、地道に計算するほかないでしょう。
(3) これもテンプレ通りに体積を計算するだけなのですが、e^(-2x)cos2xの積分が登場するので面倒です。
(2)もですが、計算ミスがあったらすみません。
<筆者の解答>