2022年も大学入試のシーズンがやってきました。
今回は、東北大学の文系数学に挑戦します。
原則、文系ユニークの問題のみ解きますので、理系との共通問題については理系の記事をご覧ください。
理系の記事はこちら
2022年度 東北大理系数学 解いてみました。 - ちょぴん先生の数学部屋
<概略> (カッコ内は解くのにかかった時間)
1. 足すと一定値になる奇数の組み合わせ (20分) ※理系との共通問題
2. 絶対値付きの積分の最小値 (10分)
3. 線形計画法 (20分)
4. 四面体の体積 (10分)
計60分
<体感難易度>
2<4<1<3
文系向けのセットとしては簡単すぎず難しすぎずの良セットですね。理系と共通の第1問はうまく読み替えられたかがキーになったかと。
<個別解説>
第1問
理系第1問との共通問題です。詳しくは理系の記事をご覧ください。
第2問
絶対値付きの積分の最小値についての問題です。
(1)親切な誘導だと思います(理系向けであれば、こんな誘導小問はつけてくれないでしょう)。0≦t≦1のときは、xの値によって絶対値の中身の符号が変わるので、区間を分けて積分する必要があります。
(2) (1)で漏れたt≧1の場合についてF(t)を計算するとF(t)の全貌が分かります(こっちのけいさんは遥かに楽です)。
t≧1の場合はF(t)が単調するのが自明なので、結局(1)で調べた0≦t≦1で増減を考えてあげれば良さそうです。
<筆者の回答>
第3問
線形計画法の問題です。
(1)与えられた条件を逐一処理して、図示してあげましょう。
(2) k=3a+2bとおくと、この式はab平面の直線と解釈できます。よって、この直線とDが交わりを持つkの最大値を考えることになります。
そのとき、Dの境界になる直線とこの直線との傾きの比較が勿論必須なのですが、実はもう1つ傾きの比較が必要な直線があります。
Dの境界線は途中で直線から円に切り替わるのですが、その切り替わるポイントでの円の接線が、それです。
こうして傾きを比較すると、直線k=3a+2bと円が接するときにkが最大になると分かります。
この「円の接線との傾き比較」に気付けたかが明暗を分けたと思います。
<筆者の回答>
第4問
四面体の体積を計算する問題です。(1)だけ独立した設問になっています。
(1)平面OABの式を求めることで、この平面の「単位法線ベクトル(=長さが1)」が求まります。図形的に解釈すると、この単位法線ベクトルのうち、x成分が正になるものこそがOHであれば、Hは題意を満たすことが分かります。
(2) 素直に、点と平面の距離の公式に当てはめればよいでしょう。
(3) △OABの面積が分かれば、高さが(2)で求まっているので四面体OABCの体積が求まることになります。余談ですが、△OABは実は直角三角形になっています。
<筆者の回答>