このシリーズでは、平成の東北大理系数学の後期入試の問題を1年ずつ遡って解いていきます。
5回目の今回は2015年になります。
第1問
放物線の共通接線に関する問題です。
(1) C1, C2の式を連立したときに実数解がなければよいわけです。
(2) C1のx=sでの接線と、C2のx=tでの接線が一致するように(s,t)を決めていきます。
(3) (2)で求まった2つの共通接線の交点をaで表してしまえばOKです。
<筆者の解答>
第2問
領域の包含関係を考える問題です。
(1) このときは「EがDの中にすっぽり入っている」状況になります。Eは半径1の円板なので、Dの中でEを自由に動かして考えてあげればよいでしょう。
(2) この場合は逆を考えると見通しが良くなります。つまり「EとDが交わりを持たない条件」を考えます。そうすると、EをDの外側を一周させた状況を考えるとよいことが分かります。
<筆者の解答>
第3問
確率の問題です。
(1)(2)ともに条件を満たす(a,b,c,d)の組を数え上げることに終始します。
(1) aの値で場合分けすると数えやすいです。
(2)こちらはab, cdをセットで場合分けすると数えやすいでしょう。abやcdが11や7になりえないのがミソです。
<筆者の解答>
第4問
関数の方程式に関する問題です。全体的に発想力が必要な問題です。
(1) x=0,y=0を代入すればf(0)=0が求まるので、あとはy=-xを代入してあげればよいでしょう。
(2) 微分可能なことを証明したいので、何とかして「導関数の定義」が出てくるように変形します。(1)の結果も考慮すると、x=X+h, y=-Xと変換すればうまくいき、あとはh→0の極限を考えればよいです。それにはf'(0)=1を利用すればよく、f'(0)=1はf(h)/h→1(h→0)と言い換えられます。
(3) (2)の結果を積分すればお終いです。
<筆者の解答>
第5問
ガウス整数に関する問題です。
(1) a→bとb→aの両方を証明する必要があります。前者についてはt=0, ±1を代入すれば事足り、後者については2α, β-α, γを実際に成分表示してあげれば、「連続2整数の積=偶数」が使えます。
(2) こちらについても、xを成分表示して式変形してあげれば示せます。
(3) c→dについては、x=0,-1,i を代入すれば事足ります。d→cについては(2)を使うことができます。
<筆者の解答>
第6問
積分に関する極限の問題です。
(1) 両辺の差をとって微分するのですが、logの中身がいささか複雑です。logの中身を丸ごとXと置換してあげると、証明する不等式がかなりシンプルな形になります。
(2) (1)の結果を使えば証明できます。
(3) (4)のための誘導設問です。複雑ですが、おとなしく微分しましょう。
(4) (3)の誘導から、「Jnを部分積分すればよい」という発想が出てきます。そうやって計算していくと、なんとn (1 - In)が見事に出現します。(2)ではさみうちを使うとJn→log2 (n→∞) が分かるので、これも使うと求めたい極限が求まります。
<筆者の解答>