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平成の九大文系数学 2012年

旧帝大の文系向けの過去問を取り上げます。理系との共通問題は理系の記事を参照して頂くこととし、基本は文系ユニークの問題のみ取り上げます。

この記事では九州大学の2012年の問題を取り上げます。

 

理系の記事はこちら↓

平成の九大理系数学 -2012年- - ちょぴん先生の数学部屋

第1問

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空間内の角度、直線、三角形の面積などを考察する問題です。

 

(1) AB・AC<0を示してあげればよいです。

 

(2) Hの座標を、OB,OCを使ってパラメータ表示してAH⊥BCを処理しましょう。

 

(3)面積公式に代入すれば終わりです。

 

<筆者の回答>

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第2問

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3次関数の接線に関する問題です。

 

(1) x=sにおける接線の傾きを出し、それがtとなるようなsが2つ存在することを証明します。

 

(2)p,qは(1)で考えたsの2次方程式の2つの解なので、解と係数の関係を使って考えます。

この問題については、PQの中点がAになることを計算で確かめればよいです。

 

(3) p,qを使ってPQを計算するとtの3次関数に帰着します。あとは微分を使ってその増減を調べましょう。

 

<筆者の回答>

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第3問

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線形計画法を使って、チケットの買い方を考察する問題です。

 

(1) 100-7xを3で割った余りを考察するとよいです。

 

(2)Aセットをa個、Bセットをb個買うとすると、7a+3b=100が成り立ちます。(1)の結果を使って、こうなるa,bの組み合わせを調べましょう。

 

(3) a≧0, b≧0, 7a+3b≧100 がa,bの満たすべき条件です。この下で、購入金額P=440a+220bを最小化します。

 

P=440a+220bを直線と見なしたときに、この直線がa≧0, b≧0, 7a+3b≧100と交点を持つPの最小値を考えることになりますが、注意点が2つあります。

 

1つ目は、7a+3b=100の傾きとP=440a+220bの傾きが非常に近いので、大小を慎重に見極める必要があります。

2つ目は、あくまでa,bが整数であることです。a,bが整数であることを無視すれば(a,b)=(100/7, 0)でPは最小となりますが、a,bが整数でないので不適です。なので、(100/7, 0)の近くにある格子点でPをそれぞれ計算する必要があります。

 

<筆者の回答>

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第4問

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理系第5問との共通問題です。詳しくは理系の記事をご覧ください。