ちょぴん先生の数学部屋

数学の楽しさを、現役メーカーエンジニアが伝授するぞ!

平成の阪大理系後期数学 -2007年-

このシリーズでは、大阪大学の後期の数学の問題を解いていきます。

 

6回目の今回は2007年です。

 

第1問

 

整数問題です。

 

(1)②ー③を計算してあげればよいでしょう。※問題文のr+1は、r-1が正しいですね。

 

(2) r≧6だとダメなことを説明します。④の条件からarは1以上なので、もしr≧6だと、(r-1)arだけで5以上になって(1)と矛盾してしまいます。

 

(3) rの取りうる値は(2)までで3,4,5の3つに絞られているので、あとは虱潰しに調べていきます。ar>0はくれぐれも忘れないように。

 

<筆者の解答>

 

第2問

 

曲線で囲まれる面積に関する問題です。

 

(1)これは流石に良いでしょう。2つの式を連立するだけです。

 

(2)a>0という条件からp>1でないといけないことが分かります。このとき、pが1と2の間にあるか、2以上なのかで面積計算に場合分けが発生することに注意します。

 

(3) aを動かせばpが動くので、結局Sをpで微分したときの増減を調べてあげればよいことになります。

 

<筆者の解答>

 

第3問

 

四面体の体積に関する問題です。

 

(1)z=tと四面体の各辺との交点の座標を調べてあげれば、断面を描くことができます。

 

(2) BDEGについても(1)と同じようにz=tで切った断面を調べて、(1)との共通部分が考える立体の断面になります。tの値による場合分けが発生することに注意しましょう。

 

<筆者の解答>

 

第4問

 

パラメータ表示された曲線の接線に関する領域図示、軌跡の図示の問題です。

 

(1) 問題文の左辺は、(dy/dt)/(dx/dt)が正しいです。結局これは接線の傾きdy/dxを求めていることになります。指示通りに左辺を計算して右辺と一致することを確かめればOKです。

 

(2) (1)の結果を使うと、Cのt=sでの接線の式が書け、それがP(u,v)を通る条件を求めることができます。

 

ここでxはtについて単調増加なので、xとtは1対1対応しています。なので、上の条件式をsの方程式と見なしたとき、正の実数解が2個あれば、PからCに接線が2本引けることになります。

 

ということで、sの方程式が「正の実数解を2個持つ」条件が、Pの存在領域になります。係数の正負に注意しながら進めていきましょう。

 

(3) (2)で調べたsの2次方程式の解をα, β (0<α<β)とすると、解と係数の関係からα+βとαβがa,b,u,vの式で書けて、2つの接線が直交する条件をα, βの式で書くことができます。あとは、ひたすら式変形して、この条件を簡単な形にしていくことになります。

 

条件は最終的に原点中心の円の式になるので、u,vが存在するa,bの条件は「半径^2>0」となります(※u=v=0は、(2)からNGだと分かっているので、半径=0にはなりません)。

 

よって、Pの軌跡はこの円の内、(2)の領域に含まれている部分になります。

 

<筆者の解答>