このシリーズでは、東京医科歯科大学の数学の問題を解いていきます。
13回目の今回は2010年です。
第1問
大小比較の問題です。
(1)両辺の差を計算して因数分解して符号判断すればよいでしょう。
(2)これは見かけによらず、難問の部類です。
問題文の上から順にA,B,C,Dと名前を付けると、A-BやC-Dについては容易に大小関係が判断できます(平方完成で2乗の形を作っていけばよい)が、残りの大小関係の把握が一筋縄ではいきません。
因数分解がうまくできないので、途中途中で不等式評価していく必要があるのですが、そこに(1)の結果を使えばよい、というのが意外と気付きにくいです。また、B-Dの変形についても予想ができないと厳しいものがあります。
ある程度の当たりをつけるためにもa=1,b=2,c=3のような簡単な数字を代入して大小関係を把握するとよいと思います。
(3) (2)までの結果を使うのかと思いきや、全く独立して解くことができてしまいます。(2)の後にあることで却って深読みして解きにくくなってしまってる節があります。
見かけ上3つの分数の和になっていますが、全部の分数をバラバラにして並び替えてあげると、相加相乗平均から最小値を計算できる格好にできます。
x=y=1, z→∞とすると∞に発散するので与式には最大値が存在しないことが分かり、かつ与式は連続なので取りうる値に途中空白がないこともわかります。
<筆者の解答>
第2問
立方体と正四面体の包含関係・体積に関する問題です。集合の記号が乱立してて敬遠したくなりますが、意味が分かってしまえば見た目ほど難しくありません。
αは対角線が軸に平行な正八面体なので、Qとの共通部分を考えるにあたってはQの隅にあるt×t×tの三角錐となります。
(1) Qから隣り合わない三角錐4つを削ったものが、考えるべき立体になります。
(2)面倒くさがらずに図を描きましょう。考える立体は、Qかつα(0)からα(A)~α(C)を除いた部分になります。
(3) αたちが重複するか否かで場合分けが発生します。重複する場合は、その重複分を「足して」上げる必要があります。
<筆者の解答>
第3問
円の接線と楕円の交わりに関する問題です。
(1)これは教科書レベルの問題で、sx+ty=1と即答したい所です。忘れてしまった場合は、直線と原点との距離が1になる条件を考えたり、円の式を微分して接線の傾きを調べる、なんて方法があります。
(2)Eとlの交点のx座標α,βを使ってLの式を求める方針で考えるとよいです。
(3)相加相乗平均の形に帰着させればよいでしょう。微分して調べるでも当然OKです。
(4) lはx軸平行となるので、定型通りの積分計算で面積が計算できます。
<筆者の解答>