ちょぴん先生の数学部屋

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平成の医科歯科大数学 -2006年-

このシリーズでは、東京医科歯科大学の数学の問題を解いていきます。

 

17回目の今回は2006年です。

第1問

 

整数の個数を数える問題です。

 

(1)要するに、1≦a1≦a2≦a3≦a4≦a5≦4となるような(a1,・・・,a5)の組み合わせの個数を探す問題です。a1~a5が何種類の数字で構成されているかで場合分けするとよいでしょう。

すると、a1~a5の内で数字が切り替わるポイントの選び方と、使う数字の選び方を調べてあげればよいことになります。(選んだ数字を小さい順に並べるだけです)

 

(2) a1だけ「1以上」という特別扱いになっているので、b1=a1-1, bi=ai (i=2,3,4,5)と置きなおしてあげればb1~b5が全て0以上という対等な形にできます。その上で、b1+b2+b3+b4+b5=S(Sは3以下)になるような(b1,・・・,b5)の組み合わせの個数を調べてしまえばよいでしょう。

 

これはよくある場合の数の問題で、「ボールS個と仕切り4個を横一列に並べる」方法と等しくなります。

 

(3) n桁の自然数の数字を左からa1,a2・・・anとすれば、a1≧1, a2≧0, ・・・,an≧0とできるので、これは(2)と同様の考え方で個数を調べることができます。

 

問題はΣの処理の仕方ですが、これには以前にも紹介した

「N+1Ck=NCk+NCk-1」という関係式を利用します。

(アイドルN+1人からk人のメンバーを選ぶ方法は、センター以外のN人からk人選ぶ方法+センターと残りN人からk-1人選ぶ方法 と解釈できる公式です)

<筆者の解答>

 

第2問

 

ベクトルの問題です。

要所要所で「OA,OB,OCが互いに垂直」が効果的になります。

 

(1)OH⊥AB, OH⊥BCを利用してあげるとよいでしょう。

 

(2)D,Hの条件からCH=CA/3+2/3CDとなるので、α=1/3が分かります。

あとは(1)で考えたOH⊥AB, OH⊥BCの条件からβの条件を求めるのですが、その過程で|OA|,|OB|が登場し、AC=2, BC=3から|OC|^2の式に書き換えることができて、結局βと|OC|の連立方程式に帰着できます。

 

(3)(4)

(2)の結果から|OA|, |OB|, |OC|が全て求まるので、そこからABと体積が計算できます。

 

<筆者の解答>

 

第3問

 

微分方程式の問題です。

 

(1)素直に微分しましょう。

 

(2) (1)の結果からΦ(x)がg(x)と等しいことが分かるので、x=g(y)をyについて解くことでh(x)が求まります。

 

(3) 条件dから微分方程式が立ちますが、f'(t)=F(t)と置きなおすと見通しが良くなり、解く過程で(1)(2)の知見が生かせます。

 

<筆者の解答>