ちょぴん先生の数学部屋

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21世紀の日医大数学 -2021年-

このシリーズでは、日本医科大学の数学の問題を解いていきます。

 

2回目の今回は2021年です。

(問題文を提供して下さったせがわさん、ありがとうございます。)

第1問

確率の問題です。

 

Xがs回表、Yがt回表、Zがu回表、となる状況を考えることで、Pの変位が分かります。

(裏は、全体の回数から表の回数を引くことで考えることができます)

 

問1はs,t,uが具体的に分かっている場合、問2は各条件からs,t,uの条件を絞り込んでいくタイプになります。

 

<筆者の解答>

 

第2問

絶対値の絡んだ放物線と直線の交点の個数を調べる問題です。問題のほとんどの比重が(3)に偏っている問題ですね。

 

(1)Lにx=y=0を代入するだけです。

 

(2)Cの式をxで微分すればお終いです。

 

(3)この問題のメインパートです。

絶対値が含まれているのでxと0の大小関係で自ずと場合分けが発生します。x>0, x=0, x<0の各場合について実数解の個数をaの値に応じて調べて、最後にまとめていく方針が良いでしょう。

全体を通じてa=0の時の扱いに要注意です。

 

<筆者の解答>

 

第3問

放物線に関わる面積の問題で、正直悪問だと思います(特に(1) )。

 

(1)この問題は出題ミスを疑う問題です。「Cと直線AF, 直線BFで囲まれる部分」とありますが、これは複数通りの解釈ができてしまう文章です(答案の図1が素直な解釈でしょうが、図2のような場合もあり得てしまいます。人によっては図1+図2で解釈する人もいたかもしれません)。

「直線」ではなく「線分」にしておけば、誤解なく図1の場合に固定できたと思いますね。

 

ということで、今回は(2)以降は図1の解釈を前提に解いています。

 

解き方自体は至って標準的で、AF, BFの式を求めて積分していくという流れです。

 

(2)こちらに関しては図形が1通りにしか解釈しようがないので、至って素直です。Pのy座標を調べて積分計算していきます。

 

(3)S=Tを整理すると、α,βの2次式が得られます。このままだと如何ともしがたいので、今回注目している関数をt=-β/αとしてβを消去してしまうとよいでしょう。こう定義することで、αとtを独立で考えることができるようになります。

 

このときに、式がα^2=(tの式)で整理できるため、右辺が正であればαが存在できることになるため、その条件がtの値域となります。

 

<筆者の解答>

 

第4問

回転体の体積とその極限に関する問題です。

 

(1)f(x)=C1の式ーC2の式とおいて、f(x)の増減を調べてあげればよいでしょう。この時にf(x)=0の解が1つだけになるようにa,bを調整してあげます。

 

(2)図を描いて、全体から部分を引き算していくことで体積が計算できます。最終結果はかなり長めです。

 

(3)各辺の差を微分して符号をチェックする定番問題です。

 

(4)これは難問です。

(3)の不等式を使ってはさみうちに持ち込むという方針は立つと思いますが、問題は(3)をどう使うかです。

 

(2)の結果の指数は正なのに対して、(3)のそれは負です。なので、(3)で逆数を取ればいいのではという発想が浮かびますが、そうすると分数の引き算が発生して却って考えにくくなります。

 

ここは、全体を指数関数で括ることで、無理やり「指数が負になる」部分を作ってから(3)を適用する、というやり方を採用することでうまく進みます。この発想がなかなか難しいですね。

 

<筆者の解答>