私立文系最難関の一角、早稲田大学の商学部の問題を取り上げます。今回は1999年です。
第1問
小問集合です。
(1) 残念ながら方程式を直接解くことができない形なので、グラフを利用して考えます。方程式の左辺をf(x)としてf(x)のグラフを描くと、0と1の間に1個実数解があることが分かり、かつf(1)<0となっています。ということは、f(n/n+1)≧0であれば条件を満たす解が存在することになるので、この不等式を満たすnの最大値を求めてあげればOKです。
(2) A=(x+y)/2, B=(x-y)/2とおいてあげると、2つの関係式が両方A,Bだけの式に変えることができます。
(3)漸化式を利用して、番号99をできる限り小さくしていきましょう。
(4)図を描くと、余弦定理を2回使うことでBDが求まることが分かります。
<筆者の解答>
第2問
整数問題です。
恒等式になる条件を考えているので、係数比較でa,b,cの関係式を2つ調べましょう。aが仲間外れになっているのでaを消去してあげると、b,cに関する対称的な2次式ができ、これを積の形に変形することでb,cを絞ることができます。
<筆者の解答>
第3問
多項式の展開に関する問題です。
(1) ω^2+ω+1=0を利用することでf(ω)が容易に計算できます。
(2)簡単のために、番号が3の倍数になるものの和(今回求めたいもの)をA, 番号が2の倍数+1となるものの和をB, 番号が3の倍数+2となるものの和をCとします。
ω^3=1になっていることに注意すると、(1)の結果はA+Bω+Cω^2 =f(ω)となります。
未知数が3つあるので、あと2つ関係式が必要そうです。
1つはx=1とすることで、A+B+C=f(1)が簡単にゲットできます。
あと1個関係式が必要そうに見えますが、実は以上の2つで足りています。
(1)の結果f(ω)は実数でしたが、A+Bω+Cω^2は虚数の可能性がある複素数です。この複素数が実数でないと辻褄が合わないので、この時点でB,Cには制限がかかるのです。
ωを具体的な値に書き直すことで、虚部が消えるためにはB=Cでないといけないことが分かります。
以上で3つの関係式が揃ったので、連立することでAが求まります。
<筆者の解答>