今日行われた2024年度共通テストの問題を見ていきます。
次に数学ⅡBを扱います。
※試験当日に解いており、ミスがあるかもしれません。
<略解>
[追記]1/15 8:00時点で公式回答を確認し、全問正解を確認しました。
<個別解説>
第1問[1]
対数に関する問題です。
ア:x=27=3^3を代入するのみです。
イウ:log(x/5)=1をxについて解きましょう。
エオ:対数は、真数が1なら問答無用で0になるんでした。
カ:底がkだと考えにくいので、他の具体的な数字に底を変換してあげます。すると、kが分母に来るためkが大きければ大きいほど対数が小さな値になることが分かります。そしてなおかつエオで見たように(1,0)を必ず通ります。
キ:対数は掛け算を足し算に分解できるのでした。y=log(kx)の場合はlog(kx)=logx+logkにできるので、結局y=logxのグラフをlogkだけy方向にオフセットしたグラフになり、kが大きければ大きいほど上にシフトします。そしてkが違う者同士のグラフは交わりません。
ク:式はややこしいですが、対数を解除してあげるとy=x^2というお馴染みの関数に化けます。
ケ:対数を解除し真数の大小比較を行えばよいのですが、xと1との大小関係で場合分けが発生することに注意が必要です。
底が1未満では減少関数に、底が1より大きければ増加関数となりますが、前者は結構忘れやすいので要注意です。
<筆者の解答>
第1問[2]
今年は恒例の三角関数ではなく、多項式の割り算が出題されました。三角関数ほどややこしい話は特にないのですが、対策を怠ってると苦戦必至でしょう。
最初にP(x)=T(x)S(x)+U(x)と式を立てておくと見通しが良くなります。
コ~シ:虚数解が求まる2次方程式ですね。解の公式でもよいですが、平方完成の方が解きやすいと思います。
ス~タ:この手の問題は因数定理の利用が定番ですが、上記のようにS(x)=0となるxが虚数なので扱いが難しいです。ここは、小細工を考えず泥臭く筆算する方が近道でしょう。
チ、ツ:U(x)=kとおけば即座にP(x)=T(x)S(x)+kが言えます。それにS(α)=S(β)=0という情報が追加されることで、P(α)=P(β)=kが言える、というロジックになっています。
テ:U(x)=mx+nとおいたんですから、それをP(x)=T(x)S(x)+U(x)に代入すれば明らかでしょう。
ト:テにS(α)=S(β)=0の情報を追加すればP(α)=mα+n, P(β)=mβ+nがわかります。
ナ:P(α)=P(β)なので、(α-β)m=0となり、α≠βなのでm=0が言えることになります。
ニ~ノ:(2)で行った考察を生かせば、P(-1)=P(2)を考えればOKだと分かります。
<筆者の解答>
第2問
2次関数とその原始関数について考える問題です。
ア、イ:普通にf(x)を展開して微分してもよいですが、「積の微分」を使えばよりサクッと計算できます。
ウ~キ:f(x)を展開して教科書通り積分すればOKです。
ク~シ:f(x)はS(x)の微分になっているので、S(x)の増減はf(x)から知ることができます。
S(x)は3次の係数が正なので、上がって下がって上がる、という概形のグラフでした。
ス:微分と言えば接線の傾きですね。
セ、ソ:積分の意味を考えれば自明です。ソはx軸より下側の面積なので、正の値にするために関数自体にマイナスをつけておきます。
タ:2次試験だとよくお目にかかるテクニックです。S2は本来マイナスの面積なので、f(x)を0~mで積分するとS1の部分がS2で相殺される格好になります。S1=S2であれば差し引き0になりますね。つまりS(m)=0です。
チ:mを求めてS(x)を計算すると、ちょうどx=3で重解をもつ格好になるので、グラフはx=3でx軸に接します。3次の係数が正なので、x=3は極小値ですね。
ツ:S1>S2なら、タでの考察の応用でS(m)>0となります。S(m)は極小値でそれが正となれば、おのずとグラフは絞れます。
テ:ここからの(3)は結論がかなり美しいです。
y=f(x)は放物線なので、軸対称です。そして軸は、x軸との2交点のちょうど中間にあるわけです。
ト、ナ:テで考えた軸に対して左右対称になっているので、積分区間も軸を挟んで西遊対象になるようにすれば面積が等しくなります。
ニ、ヌ:ヒント通りに積分を解消して整理します。
ネ:実際に与えられた中点の座標を計算してみましょう。すると、まずx座標からpが消えるのでx座標は一定値になります。
y座標の方もニの結果からpを消すことができます。そこで終わりかと思えばそうではありません。q=(m-1)/2とすればなんとヌも使うことができてqすらも消すことができます。結局y座標も一定値となり、考えてた中点はy=S(x)のx=Mにおける点だったと分かります。
いや~実に美しい結論。そのうちヨビノリや積分サークルあたりが企画で取り上げるかもしれませんね笑
<筆者の解答>
第3問
統計分野の問題ですが、この問題を選択した受験生はほぼ存在しないと思いますので、省略します。
第4問
数列の問題です。
ア~カ:ただの等差数列ですので、確実に解きましょう。
キ~コ:特性方程式を使って「等比数列」の形に帰着させるタイプの漸化式ですね。
サ~ソ:実際に漸化式に代入して実験です。この時点で、-3の場合だけ特殊な事情になってそうだと予想できます。
タ:結局これはc1=5というサと同じ状況が起こってることに気付ければ、計算すら要りません。
チツ:こちらは漸化式に当てはめて計算するだけです。
テ:消去法で考えましょう。
まず、一般のnについて証明したいわけだから、個別の例しかチェックしてない0,1,2は即座に除外できます。4は「c1=-3ならば、どんなnについてもcn=-3」という別の命題の証明になってしまっています。ということで、答えは3です。
3はまさに命題Aを数学的帰納法で示そうという流れになっています。この試験の中では実際の証明はさせてないですが。
ト:これは意外と苦戦した受験生が多そうな気がしますね。これまでの知見をフル動員して丁寧に検討していきます。
(Ⅰ) 「c1≠-3だったら、そのあともcnは-3にならない」という事実を命題Aとして証明したのでした。ということはc100=-3になるわけがありませんね。ということでこの命題は偽です。
(Ⅱ)シ~ソで考えたことを応用すれば、c100=-3から逆算するとずっとcn=-3になることがわかります。常にcn=-3という数列が漸化式を満たすので、この命題は真です。
(Ⅲ)タの前段で「c3=-3なら、c4がどんな値でも漸化式①が成立する」と書いてありました。これは別にc3に限ったことではなく、よく考えればc99でも同じ話です。つまり「c99=-3なら、c100がどんな値でも漸化式①が成立する」と言えるので、c99=-3とc100=3は両立可能です。ということで、この命題は真です。
<筆者の解答>
第5問
ベクトルの問題です。
ア~エ:両者の座標の差を取ってしまえばいいですね。
オ:CDベクトルも同様に計算して、内積を求めると0になります。要するにl1とl2は直交していることになります。今回の問題ではあまり生きませんが。
カ:AP=OP-OAと書き換えれば瞬殺でしょう。これでOPベクトルがsの式でかけます。
キ~ス:各成分を2乗して和を取ればよく、sの二次関数になります。平方完成で容易に最小値を調べられます。また、OPが最小なら、OPとl1は直交しているのでOPとABの内積が0になります。
セ~ノ:Qの座標もP同様にパラメータtを使って表示できるので、同様にPQの長さをs,tの2次式として処理していきましょう。幸い、今回はstの項が消えてくれるのでsとtで独立に平方完成できます。
<筆者の解答>