ちょぴん先生の数学部屋

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2020年度 東大文系 解いてみました。

今年度の入試挑戦の最後は、東大文系です。

 

 

<概略> (カッコ内は筆者が解くのにかかった時間)

1.三次関数とx軸で挟まれた領域が格子点を1点だけ持つ条件(31分)

2. 8本の直線からなる交点から5点を選ぶ場合の数 (33分)

3. 直線の通過領域と正三角形成立条件 (42分)

4. 2進数の積と和についての問題 (99分 ※結局解けず断念) ※理系第4問と共通

 

 

合計205分 (参考:試験時間100分)

<体感難易度>

易レベル:なし、標準レベル: なし、やや難レベル:1,2,3 、難レベル:4

 文系の方も難しい問題が並びましたね。特に理系との共通問題である第4問は理系でも難問の部類に入り文系では捨て問確定なので、実質3問での試験であり、その3問も文系向けとしては完答は厳しめだと思います。

理系は以下のリンク参照

https://stchopin.hatenablog.com/entry/2020/02/26/092520

 

第1問

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3次関数とx軸で囲まれた領域が格子点を持つ条件を考える問題です。

 

条件1については問題ないでしょうが、条件2をどう考えるかが面倒です。

 

x=0で極大値となっているので、y軸上の格子点に注目すると、少なくとも極大値が2以下でないとダメですよね。このときのaの条件をまずは出します。

 

この条件を使うと、x座標が2以上になる格子点は入りようがないことがわかります。

ということでx=1となる格子点が入るか入らないかで場合分け といった具合に進みます。

 

※余談ですが、筆者は途中からbが正という条件を忘れてしまった結果、b=0の場合の考察を始めてしまいました。答案の前半(左半分)はb=0の場合の記述なので、本問では無意味です(涙)。皆さんも、問題文はちゃんと正しく読みましょう笑。

 

<筆者の答案>

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第2問

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5個の点の選び方を数える問題です。

まず、「選んだ点が乗らない直線」のことを「NGライン」と名前を付けて定義することにします。

そうなると、問題文の意味は

(1) NGラインがちょうど2本となる点の選び方 (2)NGラインが0本となる点の選び方

となります。

 

これらをMICEに数える(=過不足なく という意味のビジネス用語です)のが難しい問題です。

 

(1)は、NGラインが「平行に2本ある」「垂直に2本ある」の場合分けで数えていきます。このときに、3本目のNGラインができないように数える必要があります。

 

(2)は、aやbの値が重複しないように4点先に取ってからもう1点選べば条件を満たしますので、その個数を数えましたが、他の場合がないのか、また先ほど数えたものに重複がないのかに関しては、正直私にも自信がありません。

 

<筆者の答案>

 f:id:stchopin:20200307000345p:plain

 

第3問

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直線の通過領域と、正三角形の成立条件です。

 

(1)については、半直線OPを、P(t, t^2-2t+4)としたときのtの式で表し、その式をtの方程式とみなして、それがt>0を解に持つxとyの条件を求めるという、いわゆる「逆像法」がお馴染みの解法で、答案ではこちらを採用しています。

 

今回については別解として、「図形的に考えて、放物線と直線が接する時がMaxだ」とわかるのでその直線を求めてしまうというのもあります。

 

(2)が分かりにくいですね。

まず、Bの位置は、OP=OBになるようなBは、l上にいつでもとることができるので、実質直線OPとlのなす角を考えればよいことになります。

 

つまり、問題文の意味は、

「うまくAを選べば直線OPとlのなす角が60°にできるような、aの値は?」ということになります。

tanなどを駆使して、不等式処理をしていくことになります。

 

<筆者の答案>

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第4問

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理系第4問と同じ問題なので、省略。文系でははっきり言って捨て問です。

(1)だけできれば十分です。