旧帝大の文系向けの過去問を取り上げます。理系との共通問題は理系の記事を参照して頂くこととし、基本は文系ユニークの問題のみ取り上げます。
この記事では九州大学の1991年の問題を取り上げます。
理系の記事はこちら↓
平成の九大理系数学 -1991年- - ちょぴん先生の数学部屋 (hatenablog.com)
第1問
行列の対角化、累乗、漸化式に関する問題です。
(1)いわゆる「行列の対角化」という作業です。素直に計算しましょう。
(2) (1)の結果を使うと楽に計算できます。
(3) (xn, yn)は、(xn+1, yn+1) = A(xn, yn)という漸化式を満たしているので、(2)の結果を使うとxn, yn の一般項が求まります。ここからrn→r2nを計算すると、r2nが√3より大きく、かつ単調に減少する数列だと分かります。
<筆者の回答>
第2問
回転体の体積を求める問題です。
(1) イメージができれば簡単な問題です。xだけ孤立しているので、まずはy,zの式から考えられるとよかったと思います。何気に立体図形を図示させる問題は珍しいですね。
(2) Kを平面z=tで切った断面を回転させて、積分するという流れで解きます。Kの断面は長方形になるので、原点から一番離れた距離を半径とする円が回転体の断面になります。
<筆者の回答>
第3問
放物線と直線で囲まれた部分の面積と格子点を数える問題です。理系向けだったら、(4)にSn/Nnのn→∞での極限を求めよなんて問題がくっつきそうな題材ですね。
(1) 交点を求めて積分する典型問題です。
(2)図を丁寧に描いて手で数えてしまいましょう。(3)を先に解いて逆算してもOKです。
(3) 直線x=k上にある格子点の個数を調べて和を取ります。kの偶奇によって場合分けが発生します。
<筆者の回答>
第4問
3次関数の接線に関する問題です。
(1)x=aでの接線の式を求めて、そこに(b,0)を代入すればOKです。
(2) (1)の結果はaの3次方程式と解釈できるので、これが2つの実数解を持つbの条件を求めます。3次関数の極値を調べてあげましょう。
理系範囲であれば、定数分離で解くことも可能です。
<筆者の回答>