旧帝大の文系向けの過去問を取り上げます。理系との共通問題は理系の記事を参照して頂くこととし、基本は文系ユニークの問題のみ取り上げます。
この記事では京都大学の2017年の問題を取り上げます。
理系の記事はこちら↓
平成の京大理系数学 -2017年- - ちょぴん先生の数学部屋
第1問
3次関数とその接線で囲まれた面積を求める問題です。
この手の問題の常套手段ですが、接線の式は先に接点をx=tと設定してから求めるとよいでしょう。
するとPを通る接線が3本出てくるので、傾き負のものを選びましょう。選ぶ過程で面倒な大小評価が必要ですが。。
こうなれば、接点以外の交点を求めて面積を積分で計算すればOKです。
<筆者の回答>
第2問
整数問題です。
(1) 2以外の素因数を持たない自然数は、2^nの形に書くことができます。これが分かれば、常用対数を使ってnの範囲が求まります。
(2)は見た目に反し難しい問題です。(1)と違って、ぴったり100桁のものを探すという点に注意です。
2と5以外に素因数を持たない自然数は、2^n×5^mの形に書くことができます。
ここで注目すべき点は、2と5から10を作れるという点です。n>mだったら10をできる限り作ると2が余り、n<mだったら10をできる限り作ると5が余る形になります。
これを使うと、10を約分することで、10^(〇-1)≦2^△<10^〇ないし
10^(〇-1)≦5^△<10^〇のかたちに評価することができます。
前者をみると、2^△はちょうど〇桁の2進数になっており、〇を動かして考えると、2^△は100桁以下の2進数になることが分かります。この個数はすでに(1)で求めています。後者に関しても、(1)と同じように100桁以下の5進数の個数を調べればよいことが分かります。
両者は「1」のみ重複するので、ダブりの解消を忘れずに。
<筆者の回答>
第3問
立体交差した直線状の点を使って正三角形を作る問題です。発想面で難しい問題です。
最初、セオリー通りにP,Q,Rの座標を文字でおいて正三角形になる条件を処理しようとしましたが、式が余りに汚くなってしまい挫折しました。。方針を転換しないといけません。
今回考える正三角形は最小サイズのものです。ということで、直線lとmが最も近くなるところにRを作って、後付けで正三角形になるようにP,Qを作ってしまおうという作戦で考えることにします。
よって、m上の点Rとl上の点Mが最も近くなるようにR,Mを決めて、Mが中点になるようにP,Qを設定すればよいことになります。
R,Mの座標を文字で表して、平方完成を使って距離を最短にしましょう。R,Mが求まったら長さの比に気を付けてP,Qを決めていきます。PとQは入れ替え可能なことに注意しましょう。
<筆者の回答>
第4問
理系第3問との共通問題です。文系では小問に分かれていますが、理系ではいきなり「(p,q)を全て求めよ」という問いになっているので、必然的に文系の小問を同じ作業をすることになります。
よって、理系の答案を見れば事足りるので、詳しくは理系の記事をご覧ください。
第5問
確率の問題です。
(1) X=1となるのは、隣り合った2つの整数の目しか出ない時なので、その確率を求めます。
(2)X=5となるのは、(M,L)=(6,1)の場合しかないので、n回中1と6が最低1回は出る確率を求めることになります。余事象を考えたほうが計算しやすいです。
<筆者の回答>