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平成の名古屋大文系数学 2017年

旧帝大の文系向けの過去問を取り上げます。理系との共通問題は理系の記事を参照して頂くこととし、基本は文系ユニークの問題のみ取り上げます。

この記事では名古屋大学の2017年の問題を取り上げます。

 

理系の記事はこちら↓

平成の名古屋大理系数学 -2017年- - ちょぴん先生の数学部屋

第1問

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3次関数と2次関数に関する問題です。

 

(1)微分して増減を調べる教科書レベルの問題です。

 

(2) f(x)-g(x)=0が3つの実数解を持つことを証明します。x=0が解の1つなことはすぐに分かるので、実質2次方程式が2つの実数解を持つか否かを調べる問題となります。

 

(3) 2曲線で囲まれる図形は、それぞれf(x),g(x)の上下が反転していることに注目すれば、

(2)の解を0,α,β (0<α<β)とすれば、f(x)-g(x)を0からβまで積分すると0になることが分かります。これを使ってa, α,βを求めましょう。

 

<筆者の回答>

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第2問

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理系第2問との共通問題で、理系の問題から(4)が省略された出題になっています。

 詳しくは理系の記事をご覧ください。

 

第3問

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整数問題です。

 

(1)a<b<cを使うと、aの値に制限がかかります。aの値によって場合分けしてb,cを調べてあげましょう。b,cは、因数分解の形を作って解くタイプです。

 

(2) いきなりこの小問が出されていれば超難問でした。が、実は(1)が大ヒントになっています。

p,q,rが2nの約数なので、a=2n/p, b=2n/q, c=2n/rとすれば、これらは全て自然数になります。このa,b,cは、(1)の条件をバッチリ満たしていますので、f(n)の最大値は、(1)の解の個数に他なりません。これを自力で閃くと気持ちいい問題ですね。

 

これにより(1)の結果を使えばp,q,rがnを含んだ分数の形で求まります。あとは、これらが整数となるnの最小値を求めればよいわけで、それは、登場している分母の最小公倍数です。

 

<筆者の回答>

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