ちょぴん先生の数学部屋

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平成の東北大文系数学 1999年

旧帝大の文系向けの過去問を取り上げます。理系との共通問題は理系の記事を参照して頂くこととし、基本は文系ユニークの問題のみ取り上げます。

この記事では東北大学の1999年の問題を取り上げます。

 

理系の記事はこちら↓

平成の東北大理系数学 -1999年- - ちょぴん先生の数学部屋 (hatenablog.com)

第1問

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tanの加法定理に関する問題です。

 

難しいことは抜きにして、tan(α+β+γ)を計算してみましょう。問題文の関係式から、計算結果の分子が0になります。

 

本当はα+β他諸々が90°にならない、などという場合分けが必要なのだと思いますが、あまりに面倒なのでα+β+γが90°にならないという場合分けのみ行いました。

 

<筆者の回答>

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第2問

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積分方程式の問題です。

 

積分をbと定数の文字で置くのが常套手段です。この下でa,bの関係式を計算すると、bの2次方程式ができます。

2次方程式ということは、1つのaに対して基本的にはbが2個求まってしまうことになります。ここで「f(x)がただ一つしか存在しない」という問題文の但し書きが意味を持ってきます。これの意味することは、bの2次方程式が1個しか解をもたないということです。

よって、そうなるaの条件を求めてあげればOKです。

 

<筆者の回答>

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第3問

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整数問題です。

 

(1) 2000を素因数分解して、2で何回割り切れるかを調べてあげればよいでしょう。

 

(2) N(A), N(B), N(C)をそれぞれ計算してあげればA,B,Cの座標をaの式で求めることができます。

 

<筆者の回答>

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第4問

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2次方程式複素数解に関する問題です。

 

(1)解と係数の関係を使って、α^5 + β^5を頑張ってpの式として計算しましょう。

 

(2)中々に面倒な問題です。

虚数解の1つをαとすると、解と係数の関係から|α|^2 = 5pが分かります。αの5乗が実数になるということは、α^5 = ±(5p)^(5/2)となることが分かります。

あとは、ここからαを具体的に計算していくのですが、複素数解を考えるので1=cos2nπ+isin2nπ、-1=cos(2n+1)π+isin(2n+1)π からド・モアブルの定理を使って検討する必要があり、しかもcosπ/5の値が要求されます。

cosπ/5については、θ=π/5とすると、cos2θ+cos3θ=0が成立するのでcosθの3次方程式を解く、というのが定番の解法です。

 

<筆者の回答>

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