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平成の九大文系数学 2016年

旧帝大の文系向けの過去問を取り上げます。理系との共通問題は理系の記事を参照して頂くこととし、基本は文系ユニークの問題のみ取り上げます。

この記事では九州大学の2016年の問題を取り上げます。

 

理系の記事はこちら↓

平成の九大理系数学 -2016年- - ちょぴん先生の数学部屋

第1問

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3次関数の面積の問題です。

 

(1) 積分を計算するだけなのですが、積分の中身を工夫しないと計算地獄に陥ります。積分の下端を代入すると0になるように中身を工夫するとよいでしょう。

 

(2) (1)の結果をαで微分して考えます。結果は直観的には十分予想できるものになっています。

 

<筆者の回答>

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第2問

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理系第2問との共通問題です。詳しくは理系の記事をご覧ください。

 

第3問

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前半が点の個数を数える問題、後半が確率の問題です。特に後半の確率の部分はかなりハードです。

 

まず、赤がa回、青がb回、白がc回でるとすると、a+b+c=nとなり到達点が(a-c, b-c)となる、というのが全問通じて大事な事実です。

 

(1) c=1の時(に限らずcを固定したとき)は、bがaの式で書けます。

 

(2) (1)と同じようにcを固定したときの到達点の個数を数えて、和を取りましょう。

異なるcについて到達点が重複するリスクは、検討すればないことが分かりますので、何の憂いもなしに和を取ることができます。

 

(3) n=3の場合、(2)の結果から到達点は10点しかないので、虱潰しにそれら10個がDに含まれているか否かを調べればよいでしょう。(2)まで使っていなかったので忘れがちですが、赤の出る確率、青の出る確率、白の出る確率は全て異なるので、10点の到達点は同様に確からしくありません。きちんと確率を計算する必要があります。

 

(4) (3)と同じように(a,b,c)としてありえる数を調べていきます。

到達点がDに含まれる条件は、

・a+b+c =3N

・-1≦a-c≦1

・-1≦b-c≦1

の3つです。a-c,b-cは両方整数なので、

(a-c, b-c) = (1,1), (1,0), (1,-1), (0,1), (0,0), (0,-1), (-1,1), (-1,0), (-1,-1)の9パターンに絞ることができます。a+b+c=3Nに代入すると、(1,-1), (0,0), (-1,1)の3つ以外はcが整数にならずNGだと分かります。

あとは、生き残ったこの3通りについて確率を計算して足し上げることになります。

 

<筆者の回答>

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第4問

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理系第4問との共通問題です。詳しくは理系の記事をご覧ください。