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平成の京大文系後期数学 -2000年-

このシリーズでは、平成の京大文系数学の後期入試の問題を1年ずつ遡って解いていきます。

 

原則、文系ユニークの問題のみ解きますので、理系との共通問題については理系の記事をご覧ください。

理系の記事はこちら↓

平成の京大理系後期数学 -2000年- - ちょぴん先生の数学部屋 (hatenablog.com)

7回目の今回は2000年になります。

 

第1問

 

理系第5問の(2)と全く同じ内容の問題です。詳しくは理系の記事をご覧ください。

 

第2問

 

不等式証明の問題です。

 

両辺の差を評価していき0以上であることを示すのが常套手段ですが、x≧y≧1を使っていっても、どうもうまい具合に0以上だと示せませんでした。

 

ということで、申し訳ありません。微分を使わない解法を思いつけなかったため、数Ⅲ範囲にはなってしまいますが、微分を使わせてください。。。

 

微分を使う場合、まずxを固定してyを動かしたときの最小値を調べて、その上でxを動かして最小値を調べる予選決勝法を使います。対数が微分するには不便な「2を底にする対数」なので、ネイピア数eを底にする対数に変換した上で積分するとよいでしょう。

 

<筆者の解答>

 

第3問

 

格子点を頂点とする三角形、四角形の面積に関する問題です。

 

(1) 格子点を頂点とする三角形は、平行移動によって頂点の一つをOにすることができるので、O(0,0), A(a,b), B(c,d)を3頂点とする、と考えても問題ありません(a~dは整数です)。そのうえで面積を計算してみましょう。

 

(2) 凸四角形は対角線によって2つの三角形に分割でき、(1)の結果からその三角形それぞれが面積1/2になることが分かります。

 

この性質を使って、「2つの対角線が各々の中点で交わる」を示していきます。これが成り立てばその四角形は平行四辺形になります。

 

<筆者の解答>

 

第4問

 

3次関数のグラフに関する問題です。

 

(1) (イ), (ロ)によって実はf(x)を完全に特定することができます。

(イ)の性質からf(x)-1が奇関数だと分かるのでa=0, c=1が特定され、(ロ)の極値の情報からbも求まります。

 

あとはy=f(x)のグラフを書いてしまえばよいでしょう。

 

(2) (イ)からx軸とy=2は対称関係になり、y=f(x)とy=2の交点のうちx座標が負になるものは-γ, -βだとわかります。(-β-γ)/2はこれらの中間の点なので、グラフから題意が一目瞭然です。

 

<筆者の解答>

 

第5問

 

確率、およびその最大化の問題です。

 

(1)AとBが出会う可能性のある場所は(2,0), (1,1), (0,2)の3点だけなので、それぞれにA,Bが両方到達する確率を調べてあげましょう。(2)を見越して、pの関数としてf(p,q)をまとめてあげるとよいです。

 

(2) (1)の結果からf(p,q)はpの2次関数となりますので、それを最大化することを考えていきます。が、係数の正負だったり、最大となるpの値が1を超えるか否かだったりがqの値によって変わってくるので、場合分けして検討する必要があります。

 

<筆者の解答>