ちょぴん先生の数学部屋

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平成の東大文系数学 2005年

旧帝大の文系向けの過去問を取り上げます。理系との共通問題は理系の記事を参照して頂くこととし、基本は文系ユニークの問題のみ取り上げます。

この記事では東京大学の2005年の問題を取り上げます。

 

理系の記事はこちら↓

平成の東大理系数学 -2005年- - ちょぴん先生の数学部屋 (hatenablog.com)

第1問

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積分の最小化問題です。

 

f(x)=px^2+qxとおいて、積分を愚直に実行しましょう。平方完成で、積分値が最小になるa,bを求めることができます。

 

<筆者の回答>

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第2問

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理系第4問との共通問題です。詳しくは理系の記事をご覧ください。

 

第3問

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4次方程式の解の範囲を調べる問題です。文系向けの問題故の難しさを抱えた問題と言えます。

 

4次方程式を解くと、x=±√s±√tとすっきり解くことができます。このとき、これらがx軸対称で最大のものが√s+√tなので、√s+√tの範囲を調べれば良さそうです。

 

このとき、s,tの条件からs=cosθ、t=sinθとおいて、、、とやろうとすると文系範囲では行き詰まってしまいます。(理系範囲では対処可能ではありますが、かなり面倒です)。なので別案を考える必要があります。

 

行き詰まってしまう元凶は、√の存在です。なので、√s+√tを2乗してしまいましょう。それでも√が残ってしまうわけですが、s+t, stという基本対称式が登場し、s^2+t^2=1から、stをs+tの式で書くことができます。

 

s+tの取りうる値の範囲は線形計画法で求めることができるので、(√s+√t)^2がs+tだけの式で書けて範囲が求まることになります。一見すると文系範囲では微分ができない関数ですが、微分をするまでもなくs+tについて単調増加することが明らかな形をしています。

 

つくづく、文系範囲縛りで解こうとすると発想が要求され難しくなって嫌ですね。

 

<筆者の回答>

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第4問

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理系第5問との共通問題です。詳しくは理系の記事をご覧ください。