ちょぴん先生の数学部屋

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平成の京大文系数学 2004年

旧帝大の文系向けの過去問を取り上げます。理系との共通問題は理系の記事を参照して頂くこととし、基本は文系ユニークの問題のみ取り上げます。

この記事では京都大学の2004年の問題を取り上げます。

 

理系の記事はこちら↓

平成の京大理系数学 -2004年- - ちょぴん先生の数学部屋 (hatenablog.com)

第1問

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理系第1問との共通問題で、θの範囲のみ違っています。とはいえ、結果的に答えは理系のものと全く同じです。

詳しくは理系の記事をご覧ください。

 

第2問

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抽象的な関数の積分値に関する問題です。

 

問題文に与えられている図自体が大ヒントです。定積分が「符号付きの」面積だったことに注意して、y≧0の部分の面積と、y≦0の部分の面積を、長方形の面積を使って評価してあげましょう。

 

<筆者の回答>

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第3問

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直線と円の交点のベクトル表示を求める問題です。

 

これは座標設定して、角の2等分線、円の式を立てて交点の座標を計算してしまうのが良いでしょう。この方法の場合はtan(∠AOB/2)を調べる必要があります。

 

座標設定せずに解くこともできるので別解としてあげましたが、やはり座標設定したほうが機械的に解けて楽な印象でした。

 

<筆者の回答>

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第4問

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2次方程式の解の、複素平面での配置に関する問題です。

 

α,β,c^2が三角形を作るためには、αとβが虚数でないといけません。そのもとで、重心を合わらす複素数は、(α+β+c^2)/3で表現することができますので、解と係数の関係を使って処理すればよいでしょう。

 

<筆者の回答>

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第5問

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整数問題です。

 

(1) 平方数を4で割った余りは0か1になる、という有名な性質を使うと証明できます。

 

(2) (1)でn≧2という断りがあったので、n=0の場合、n=1の場合、n≧2の場合に分類して考えるとよいでしょう。(1)の結果を使うとa,bが2の累乗の形で書けて、これを何回も繰り返すと、nの偶奇によってn=0, n=1のいずれかの場合に帰着させることができます。

 

<筆者の回答>

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