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2021年度 東北大文系数学 解いてみました。

2021年も大学入試のシーズンがやってきました。

今回は、東北大学の文系数学に挑戦します。

原則、文系ユニークの問題のみ解きますので、理系との共通問題については理系の記事をご覧ください。

理系の記事はこちら

2021年度 東北大理系数学 解いてみました。 - ちょぴん先生の数学部屋

 

<概略> (カッコ内は解くのにかかった時間)

1. 2次方程式の解の条件の図示(15分)※理系第1問との共通問題

2. 条件を満たす三角形・四角形の数え上げ(20分)※理系第3問との共通問題

3. 2つの円の共通部分の面積(35分)

4. 3次関数と2次関数の共通接線、関連する面積(20分)

 

<体感難易度>

 1<4<3<2

東北大らしく平易な問題と難しめの問題のバランスの取れた出題です。第1問は確実に押さえるとして、あわよくば第4問も完答したいです。着想と式の処理が面倒な第3問と、理系と共通の第2問の場合の数は部分点止まりでも仕方ないかもしれません。

 

<個別解説>

第1問

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理系第1問との共通問題です。詳しくは理系の記事をご覧ください。

 

第2問

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理系第3問との共通問題です。詳しくは理系の記事をご覧ください。

 

第3問

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2つの円の共通部分の面積を考える問題です。メインは(1)であり、(1)ができていれば(2)(3)はスムーズに進むと思います。

 

問題設定が若干抽象的に書かれています。もしかしたら、このまま図形の知識だけで解けるのかもしれませんが、座標設定をしてあげるのが簡明だと思います。具体的には、O(0,0), A(1,0)となるように座標設定しても一般性を失いません。

 

(1) C1の半径をRとして、Pをy>0の方で選び、∠POA=α, ∠PAO=βと文字設定します。この時、∠OPA=120°という情報から、α+β=120°分かり、Pの座標をC1視点からとC2視点からの2通りで表現できるので、未知数がR, α, βの3つに対して方程式が3つできるので、解くことが可能になります。

Rをrの式で解きたいので、α, βを消去することになりますが、cosとsinが入り混じった式になるので、一旦cosαとsinαをRとrの式として求めてあげる必要があります。

 

(2) (1)ができていれば、βを求めてあげるだけです。

 

(3) (2)までの状況を図に起こして面積を計算しましょう。

 

[3/1追記]

座標設定をせずに解く別解を紹介します。結果論、こちらの方が圧倒的に早く解けました笑。なんで初見でこれを思いつかなかった。。(1)は余弦定理、(2)は辺の長さの比から求まるわけです。

 

<筆者の回答>

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座標設定しない別解です。

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第4問

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3次関数と2次関数の共通接線、関連する面積を求める問題です。

 

(1) 3次関数の接線を計算して、それが2次関数にも接する条件、と考えると見通しが良いです。x=tでの3次関数の接線を計算し、その式を2次関数と連立してできるxの2次方程式が重解を持つtの条件を調べることになります。このときtの4次方程式を解きますが、この4次式の因数分解に意外と手こずるかもしれません。

 

(2) (1)で求まった2本の共通接線の交点、それぞれの2次関数との交点を調べてしまえば、容易に積分が計算できます。

 

<筆者の回答>

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