旧帝大の文系向けの過去問を取り上げます。理系との共通問題は理系の記事を参照して頂くこととし、基本は文系ユニークの問題のみ取り上げます。
この記事では東北大学の1998年の問題を取り上げます。
理系の記事はこちら↓
平成の東北大理系数学 -1998年- - ちょぴん先生の数学部屋 (hatenablog.com)
第1問
2つの放物線に関する問題です。
(1) 放物線の交点を求めて、積分で面積を計算する基本問題です。
(2) Sの図を描いて、y=x+kとの交わりを考えます。すると、2つの接線に接するときがそれぞれkの最大最小だと分かります。
<筆者の回答>
第2問
対数の大小比較をする問題です。
色々な大小比較をする必要がありますが、一番簡単なのはg同士の比較です。g(x)の式は変形するとxの一次関数(しかも定数項=0)となります。よって、g(m+n)=g(m)+g(n)が分かりました。
次に簡単なのは、f(x)とg(x)の比較でしょうかね。とはいえ、理系チックな発想が必要です。詳しくは答案の図1を見てほしいのですが、y=logxのグラフが上に凸だという性質を使うと、f(x)>g(x)が成り立つことが分かります。
最後にf同士の比較を行います。差を取ると、対数の引き算は割り算に変えられるので、logの中身の分母分子の大小関係を調べることになります。
<筆者の回答>
第3問
反射に関する問題です。
問題文の状況は、Oから出た光がPで反射してQに到達するというものになります。この手の問題は、ABに関して対称な点を考えるのが定石です。具体的にはQのABに対して対称な点をQ'をすると、O,P,Q'が1直線上に並んでいればOKです。
<筆者の回答>
第4問(a)
玉の割り振りを考える場合の数の問題です。「区別する」「区別しない」というのが分かりにくい問題です。
(1) 同じ色の玉を区別しないので、A,Bに入る各色の玉の個数だけを気にすればOKなわけです。Aに白をa個、赤をb個いれるとして、(a,b)の組み合わせを調べましょう。
(2) 問題文を読んだ瞬間に「どんな設定だよ!?」と突っ込みたくなる問題ですね。何段目なのかは区別するのに、タンス自体の区別をしない、なんてどう考えても現実にはあり得ない設定ですよね(笑)。
非現実的な設定で考えにくいので、もっと現実的な設定に翻訳してあげましょう。タンス自体の区別をしないなら、いっそ合体してあげればよいのでは? ということで、問題文を、「6段の引き出しのついた1個のタンスに、1段2個まで玉を入れる。」と読み替えてしまえばよいのではないでしょうか?これで現実的で考えやすくなり、かつ本質を変えない読み替えができました。
この読み替えを行った後は、どの2つがセットになるかで場合分けして場合の数を調べましょう。手順としては、玉を入れない引き出しを決めて、上の段から順番に玉を入れていく、という数え方で良いと思います。とはいえ、場合分けが結構多く、数え漏らしがないかが怖くなってきます。。
<筆者の回答>
第4問(b)
数列の問題です。
(1)上二つの漸化式を使って、項をいくつかを=で繋げまくりましょう。漸化式に3,5という数字があるので、その最小公倍数15まで調べると良さそうです。
すると、nが5の倍数か否かで2種類の数字しか登場しないことが分かります。あとは、和と積の条件から、その2つの数字を求めましょう。
(2) (1)の結果は15までに限らず一般のnに拡張できることが分かりますので、Sn=a1+・・+an をnを5で割った余りで分類して調べるとよいでしょう。
<筆者の回答>