ちょぴん先生の数学部屋

数学の楽しさを、現役メーカーエンジニアが伝授するぞ!

平成の東北大文系数学 1998年

旧帝大の文系向けの過去問を取り上げます。理系との共通問題は理系の記事を参照して頂くこととし、基本は文系ユニークの問題のみ取り上げます。

この記事では東北大学の1998年の問題を取り上げます。

 

理系の記事はこちら↓

平成の東北大理系数学 -1998年- - ちょぴん先生の数学部屋 (hatenablog.com)

第1問

f:id:stchopin:20210903073919p:plain



2つの放物線に関する問題です。

 

(1) 放物線の交点を求めて、積分で面積を計算する基本問題です。

 

(2) Sの図を描いて、y=x+kとの交わりを考えます。すると、2つの接線に接するときがそれぞれkの最大最小だと分かります。

 

<筆者の回答>

f:id:stchopin:20201212002443p:plain

 

第2問

f:id:stchopin:20210903073940p:plain



対数の大小比較をする問題です。

 

色々な大小比較をする必要がありますが、一番簡単なのはg同士の比較です。g(x)の式は変形するとxの一次関数(しかも定数項=0)となります。よって、g(m+n)=g(m)+g(n)が分かりました。

 

次に簡単なのは、f(x)とg(x)の比較でしょうかね。とはいえ、理系チックな発想が必要です。詳しくは答案の図1を見てほしいのですが、y=logxのグラフが上に凸だという性質を使うと、f(x)>g(x)が成り立つことが分かります。

 

最後にf同士の比較を行います。差を取ると、対数の引き算は割り算に変えられるので、logの中身の分母分子の大小関係を調べることになります。

 

<筆者の回答>

f:id:stchopin:20201212002515p:plain

 

第3問

f:id:stchopin:20210903074014p:plain



反射に関する問題です。

 

問題文の状況は、Oから出た光がPで反射してQに到達するというものになります。この手の問題は、ABに関して対称な点を考えるのが定石です。具体的にはQのABに対して対称な点をQ'をすると、O,P,Q'が1直線上に並んでいればOKです。

 

<筆者の回答>

f:id:stchopin:20201212002538p:plain

 

第4問(a)

f:id:stchopin:20210903074033p:plain



玉の割り振りを考える場合の数の問題です。「区別する」「区別しない」というのが分かりにくい問題です。

 

(1) 同じ色の玉を区別しないので、A,Bに入る各色の玉の個数だけを気にすればOKなわけです。Aに白をa個、赤をb個いれるとして、(a,b)の組み合わせを調べましょう。

 

(2) 問題文を読んだ瞬間に「どんな設定だよ!?」と突っ込みたくなる問題ですね。何段目なのかは区別するのに、タンス自体の区別をしない、なんてどう考えても現実にはあり得ない設定ですよね(笑)。

 

非現実的な設定で考えにくいので、もっと現実的な設定に翻訳してあげましょう。タンス自体の区別をしないなら、いっそ合体してあげればよいのでは? ということで、問題文を、「6段の引き出しのついた1個のタンスに、1段2個まで玉を入れる。」と読み替えてしまえばよいのではないでしょうか?これで現実的で考えやすくなり、かつ本質を変えない読み替えができました。

 

この読み替えを行った後は、どの2つがセットになるかで場合分けして場合の数を調べましょう。手順としては、玉を入れない引き出しを決めて、上の段から順番に玉を入れていく、という数え方で良いと思います。とはいえ、場合分けが結構多く、数え漏らしがないかが怖くなってきます。。

 

<筆者の回答>

f:id:stchopin:20201212002600p:plain

f:id:stchopin:20201212002629p:plain

 

第4問(b)

f:id:stchopin:20210903074111p:plain



数列の問題です。

 

(1)上二つの漸化式を使って、項をいくつかを=で繋げまくりましょう。漸化式に3,5という数字があるので、その最小公倍数15まで調べると良さそうです。

すると、nが5の倍数か否かで2種類の数字しか登場しないことが分かります。あとは、和と積の条件から、その2つの数字を求めましょう。

 

(2) (1)の結果は15までに限らず一般のnに拡張できることが分かりますので、Sn=a1+・・+an をnを5で割った余りで分類して調べるとよいでしょう。

 

<筆者の回答>

f:id:stchopin:20201212002653p:plain