ちょぴん先生の数学部屋

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平成の阪大文系数学 1993年

旧帝大の文系向けの過去問を取り上げます。理系との共通問題は理系の記事を参照して頂くこととし、基本は文系ユニークの問題のみ取り上げます。

この記事では大阪大学の1993年の問題を取り上げます。

 

理系の記事はこちら↓

平成の阪大理系数学 -1993年- - ちょぴん先生の数学部屋 (hatenablog.com)

第1問

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光ファイバーの反射に関する問題です。面倒な問題です。

 

条件イ、ロから、n回目の反射からn+1回目の反射までの光線の軌跡をnの式で表現することができます。この交線の存在範囲は、(2n-1)/a≦x≦(2n+1)/aとなることに注意です。これとy=x-2 (3/2≦x≦5/2)とが交点を持つ条件を求めます。ここからの場合分けが面倒です。

 

交点のx座標をとりあえず出すのですが、まず分母が0になる可能性があるのがa=1の場合なので、まずはこれを例外扱いで先に処理してしまいます。

 

a≠1の時は、求まった交点x座標が、(2n-1)/a≦x≦(2n+1)/aと3/2≦x≦5/2の両方に含まれるaの条件を考えればよいですが、nの偶奇、aと1との大小による場合分けをしないと処理しきれません。

 

<筆者の回答>

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第2問

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行列の等比級数に関する問題です。

 

(1)愚直にA^4を計算しても良いですし、Aが√2×45°回転行列になっていることに注目してA^kを計算する方法でもよいでしょう。

 

(2) A^kは、4周期で大きく変化するので、kを4で割った余りで分類してA^kの形を調べるとよいでしょう。

 

<筆者の回答>

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第3問

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3次関数の接線の本数に関する問題です。

 

この手の問題の定石ですが、x=tでの接線が(0.1)を通る条件をつくり、それをtの3次方程式と解釈して実数解の個数を調べます。3次方程式をtで微分して増減を考えます。aの符号による場合分けが発生することに注意しましょう。

 

理系範囲であれば、a=tの式の形にして右辺の関数のグラフを考えるという解き方もあります。こちらであれば視覚的にすぐに分かる上にaの場合分けも不要になります。(別解にて紹介)

 

<筆者の回答>

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第4問

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理系第2問との共通問題で、表現こそ違えど問われている内容もほぼ一緒です。

 

申し訳程度に(1)が付いていますが、円周角の定理を考えれば、SはABを直径にした球の内部(表面は含まない)だと分かります。

 

(2)以降は理系と同じなので、詳しくは理系の記事をご覧ください。(3)は理系の受験生でも厳しい内容なので、文系の人は捨てても良いレベルでしょうね。

 

<筆者の回答>

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