ちょぴん先生の数学部屋

数学の楽しさを、現役メーカーエンジニアが伝授するぞ!

平成の東大文系数学 1991年

旧帝大の文系向けの過去問を取り上げます。理系との共通問題は理系の記事を参照して頂くこととし、基本は文系ユニークの問題のみ取り上げます。

この記事では東京大学の1991年の問題を取り上げます。

 

理系の記事はこちら↓

平成の東大理系数学 -1991年- - ちょぴん先生の数学部屋 (hatenablog.com)

第1問

f:id:stchopin:20210902194930p:plain



3次関数の最大最小を考える問題です。一見すると簡単そうですが。。。

 

f(x)を微分して増減を調べるという流れ自体はテンプレです。しかし、この問題が牙をむくのはここから。最大値と最小値の候補がそれぞれ2つずつ求まるので、それぞれを大小比較しないといけません。

極値の計算は、次数下げを使うと少しは楽をすることができます。が、√13が絡むかなり面倒な大小評価を行わないといけません。

 

<筆者の回答>

f:id:stchopin:20201221221011p:plain

 

第2問

f:id:stchopin:20210902194950p:plain



軌跡の問題です。

 

ベクトルを使ってRの座標をパラメータ表示して、パラメータを消去して軌跡を求めましょう。x,y座標の取りえる値の範囲のチェックを忘れずに。

 

<筆者の回答>

f:id:stchopin:20201221221042p:plain

 

第3問

f:id:stchopin:20210902195010p:plain



長方形の各頂点と中心に、円を重ならないように配置する問題です。

 

頂点にある円同士が重ならない条件と中心にある円と頂点の円が重ならない条件を列挙し、半径の満たす条件をaの値で場合分けして調べましょう。S(a)の計算自体は難しくありません。

 

S(a)/aを計算すると、a+1/aの形が出現しますが、このグラフは放物線と同じように最小値の外側では単調に増加する関数となります(文系範囲でこれは既知としていいんですかね?)。

 

ぶっちゃけ素直にS(a)のグラフを描け、で十分だったような気がします。

 

<筆者の回答>

f:id:stchopin:20201221221106p:plain

f:id:stchopin:20201221221127p:plain

 

第4問

f:id:stchopin:20210902195037p:plain



四角錐に関する問題です。底面をxy平面に、頂点をz軸上に配置する座標を取ると見通しが良くなります。

 

(1)球の半径は、底面の各辺に接するのでa/2で確定です。ベクトルの知識を使って、母線と球が接する条件を考えましょう。

 

(2)この手の体積を求める問題は、断面積を求めて積分するというのが定石ですが、今回の場合はうまく計算できません(少なくとも文系範囲では)。

図形をイメージすると、四角錐の側面から球面が少しはみ出すような構図になります。

球面の半径と側面と底面中心との距離が分かっているので、はみ出した部分だけ積分を使って体積を計算できます。

よって、半球全体から、はみ出し4か所の体積を引けば答えです。

 

<筆者の回答>

f:id:stchopin:20201221221153p:plain

f:id:stchopin:20201221221216p:plain