ちょぴん先生の数学部屋

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平成の東北大文系数学 1990年

旧帝大の文系向けの過去問を取り上げます。理系との共通問題は理系の記事を参照して頂くこととし、基本は文系ユニークの問題のみ取り上げます。

この記事では東北大学の1990年の問題を取り上げます。

 

理系の記事はこちら↓

平成の東北大理系数学 -1990年- - ちょぴん先生の数学部屋 (hatenablog.com)

第1問

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理系第1問との共通問題です。詳しくは理系の記事をご覧ください。

 

第2問

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行列の計算問題です。

 

(1)ケーリーハミルトンの定理の証明問題です。A^2を直接計算してA,Eをうまく括り出してあげましょう。

 

(2) (1)の結果を使ってA^3+A=OをA,Eの式にしましょう。AがEの定数倍だとするとA=Oとなって不適になるので、AはEの定数倍になりません。このとき、Aの係数とEの係数は同時に0になるので、x,yが求まってしまいます。ここまでくれば題意が示せます。

 

<筆者の回答>

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第3問

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1次変換の問題です(2題連続で行列の問題ですね)。

 

(1) v=(x,y)とおいて、Tvを直接計算すればよいでしょう。

 

(2)T^nが有限集合ということは、T^k=T^lとなる異なる整数k,lが必ず存在することになります。ここに(1)を適用すれば、a^2+b^2=1が示せます。よってa=cosθ, b=sinθとおけてTが回転行列になることが分かります。

 

(3) 要素数が2個ということは、T^2=E, T≠Eであればよいわけです。そうなるようにθを決めてあげましょう。

 

<筆者の回答>

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第4問

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数列の問題です。

 

一見すると複雑なので、まずはn=1,2,3の場合に具体的にanを調べてみます。するとanの一般項が予想できるので、帰納法で証明しましょう。

 

<筆者の回答>

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