このシリーズでは、平成の東北大文系数学の後期入試の問題を1年ずつ遡って解いていきます。
基本的に文系ユニーク問題のみ解きますので、理系との共通問題については、理系の記事をご参照ください。
理系の記事はこちら↓
平成の東北大理系後期数学 -2009年- - ちょぴん先生の数学部屋 (hatenablog.com)
10回目の今回は2009年になります。
第1問
(筆者注:『(x-c)(x-d)で割った「商と余り」に一致する』が正しいです)
多項式の割り算に関する証明問題です。(理系第1問も同じような題材ですが、問われている内容が異なるので、新規に解きなおしています)
a=c, b=dなら「割り算した商と余りがそれぞれ一致する」のは当たり前なので、その逆、「割り算した商と余りがそれぞれ一致するなら、a=c, b=dでないといけない」を証明する作業がメインになります。
恒等式の考え方から、割り算した商と余りがそれぞれ一致するなら、(x-a)(x-b)=(x-c)(x-d)でないといけないことが分かり、恒等式の考え方に照らせば、a+b=c+dかつab=cdでないといけないことが分かります。
この条件からa=cかつb=dを言いたいのですが、a,bが0か否かでの場合分けなども発生するので、検討は結構面倒です。
<筆者の解答>
第2問
理系第2問と共通の問題です。詳しくは理系の記事をご覧ください。
第3問
放物線の囲む面積に関する問題です。
(1)両者の式を連立させるだけです。
(2)こちらもテンプレ通りに積分計算するだけです。(1)のx座標をx0と置きなおすとミスが減らせると思います。
(3)文系範囲での分数式の最大最小の解法となれば、分子で分母を割り算しての相加相乗平均、が思いついてほしい所です。
<筆者の解答>
第4問
(筆者注:Bの式の左辺に、t^2を追加したものが正しいと思われます。こうしないと(2)以降が綺麗に求まりません)
円の包含関係に関する問題です。あらかじめ、A~Cの式を平方完成して中心の座標と半径をはっきりさせておくと見通しが良くなります。
(1)t=0の場合に、実際にA~Cを図示してあげれば一目瞭然です。
(2)BとCの共通部分が1点なら、BとCの外周が接することが分かります。
(3)tが(2)の答えよりも大きい範囲だと、そもそもBとCが共有部分を持たないので即座にNGだと分かります。なので、tは(2)の答え以下に限定してOKです。
このとき、BとCは互いにy軸対称で、Aはそれ自身がy軸対称なので、BとCの共通部分の上端・下端がAに入るか否かだけで「A~Cの共通部分が空集合か否か」が判断できます。
<筆者の解答>