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平成の東北大文系後期数学 -2008年-

このシリーズでは、平成の東北大文系数学の後期入試の問題を1年ずつ遡って解いていきます。

 

基本的に文系ユニーク問題のみ解きますので、理系との共通問題については、理系の記事をご参照ください。

理系の記事はこちら↓

平成の東北大理系後期数学 -2008年- - ちょぴん先生の数学部屋 (hatenablog.com)

11回目の今回は2008年になります。

 

第1問

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絶対値付きの方程式を解く問題です。

 

当然ながら、xの値によって絶対値の外れ方が変わるので場合分けするのが第1です。

そのうえで、各領域で=xの方程式を解いて、その解が条件を満たすかどうかを調査します。

 

<筆者の解答>

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第2問

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理系第2問とほぼ共通の問題です。小問に細かい違いこそあれ、ほとんど理系の回答の中で調べられています。なので、詳しくは理系の記事をご覧ください。

 

<筆者の解答>

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第3問

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ランダムウォークを題材にした確率の問題です。

 

(1)5回でAにたどり着く経路の個数を調べ尽くすことに終始します。

 

(2)解き方は基本的に(1)と同じですが、問題文がよろしくないと思います。

 

「ちょうど6回でBにたどり着く」だと、途中でBを通っていいのかダメなのかの判断が付きません。このような2通りの解釈ができてしまうので、「但し途中でBを通過してもよいものとする」なり「ちょうど6回でBに『初めて』たどり着く」など文面を工夫すべきでした。

 

答案では、前者の「Bを途中で通過しても構わない」という解釈で解いています。(一応後者の解釈による回答も追記しました)

 

(3) Aにたどり着くステップ数は必ず奇数になるので、余事象の「7ステップ以内にAにつく」は、実質ステップ数=3,5,7のみです。5の場合は(1)で求まっていて、7の場合は(2)の結果から即座に計算できますので、あとは3の場合を調べればお終いです。

 

<筆者の解答>

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第4問

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三角関数の不等式証明の問題です。

 

この問題は「mがπ/4θに最も近い整数」という条件を、如何に数式に落とし込むかが最大のポイントと言っていいと思います。

 

実際に数直線に様子を描いてみると、mとπ/4θとの差が1/2以下であればよいと分かります。ここから、π/2-θ≦2mθ≦π/2+θが分かるので、これ全体にsinをつけた時の条件を単位円を使ってまとめればお終いです。

 

<筆者の解答>

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